終わりが欲しかったんだ、ずっと。
終わりが欲しかったんだ、ずっと。
『ごめん……
茉里とはもう付き合えないや……』
夕日が傾き、あたしと彼しかいない教室の中に彼の声が響く。
彼の言葉、いや彼も使ったが正しい、“もう付き合えないや”の言葉、それを言われるのは何度目だろう?
『そうだね、私もそう思う。
三橋君に合う女の子、他にいると思う』
あたしは静かにそう彼に言った。
『それを言うなら、茉里に合う男はアイツなんじゃないの?』
彼はそう言って、困った顔を浮かべ、あたしの顔を見つめる。
彼も言った、“茉里に合う男はアイツ”、それを聞くのもこれで何度目だろうか?
『意味分かんない。
三橋君、誰のこと言ってんの?』
いつも付き合った男はあたしにそう言って別れを切り出してくる。
誰のこと?
あたしはいつもそう問いかけるの、あたしにいつも意味不明な問いかけをしてくる彼らに。
でもね…?
『幼馴染の耕平』
みんなそう答えるの、それがまた疑問なんだけど。
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