終わりが欲しかったんだ、ずっと。
『とりあえず入れば?
そこに突っ立ってられてるのも、ドア開けてんのも面倒くさい』
一言多い、いつも耕平の言葉にそう思ってしまう。
普通に“入れば”でいいのに…
『…お邪魔します』
玄関に入り、あたしはローファーを脱ぐ。
ぽいっと出されたスリッパを履き、耕平の後に続く。
『俺の部屋でいいだろ?』
別に確認してくれなくても、耕平の部屋に二人きりとか、もうドキドキしたりしないけど…
と、いうのは口に出さず、無言でそのまま耕平の後に続いて歩いた。
階段を上って、すぐ横の部屋、耕平が入っていく、その後ろを追う。
『まぁ、適当に座れよ』
と、耕平が言う前にあたしは耕平のベッドに腰掛ける。
『お前さ、人のベッドをソファー代わりにするの止めてくれる?』
『だってベッドの上くらいしか綺麗じゃないもん』
あたしの言葉に耕平はため息を漏らす。
だって、いつものあたしの特等席はここだし?
いつも耕平はぶつぶつ言うけど、あたしはここが好き。
耕平の匂いがして、なんだか落ち着く…