終わりが欲しかったんだ、ずっと。
『そんで用件は何?』
耕平が問いかけてくる。
突然の問いかけかよ、もっと前置きというか…なんか話してからでいいじゃんか…。
『どうせ茉里のことだから、“彼氏が出来ました”か“彼氏と別れました”のどちらかだろ?』
耕平はそう言うなり、近くの雑誌に手を伸ばし、あたしの返事も聞かずに雑誌をパラパラと捲る。
『…失礼な言い方。
あたしはそんな男の話ばっかじゃないです!』
『うん、そうだな。
彼氏が出来ました、か、彼氏と別れましたの話しかしないもんな、お前。
こんな風に付き合って幸せーとかそういう中身のある話はしたことないもんな』
あたしの顔なんて見てないくせに。
雑誌をペラペラと捲ってるだけなのに、なんで的確なことを言ってくんのさ!
そうよ、あたしはいつも“彼氏が出来ました”っていう報告と、“彼氏と別れました”からの愚痴しかあんたには言ってないわよ!
『で、この間“彼氏が出来ました”っていう報告があったから、つまり今日は“彼氏と別れました”の話でしょ?』
『……う』
『まだ付き合って何カ月?』
『…えっと、今日で一カ月…だ』
『お前さ、もう少し吟味してから付き合えば?
一カ月なんて普通盛りあがってる頃じゃねーの?
そんな時に別れるとか、お前本気じゃなかっただろ?』
『……う』
どうして耕平にはなんでもバレちゃうんだろう…