「さよなら」って言って?
夜の病室
次の日の夕方・・・。
「来ねぇ~。」
昨日約束された、あれは何だったんだ?
裏切られたのか?
そんなことを感じていた。
テレビをつけても、この時間サッカーはやってないし。
無理に歩き回れないし・・・。
今日は雨が降っている。屋上も無理だ。
やべぇ、菓子も食べてないから腹が減って来た・・・。
そして、ヒマすぎて手をいじくり始めた。
そんな頃。
・・・トントン!
「?」
誰だ?
星野さんか?楓か?
「待ちくたびれた?」
ドアを少し開けて顔を見せたのは、星野さんだった。
それはもう雲のせいか、薄暗くなって部屋の電気をつけるようになった頃。
「お腹すいたでしょ?ジュースとお菓子買ってきたよ。」
なんかスゲェ。心の中で思ってたことが伝わってる気がした。
「なんか、サンキュウ・・・。」
「いやいや。・・・私もこんな友達初めてだから、明日までにたくさん話しておきたいの。」
友達か・・・。なんか、違和感があった。
「別に明日お別れってことじゃないんだし・・・。メルアド交換したらさ、毎日会話だってできるだろ?」
「・・・そうだね!忘れてた、ケータイの存在。メルアド交換しよっ!」
「いいよ。」
俺たちは赤外線でメルアドを交換した。
なんか昨日よりテンションが高かった。
心を開いてくれてなのか、隠し事があってなのか、分からない。
「そう言えば、渡部理沙。知ってるでしょ?」
「・・・おう。クラスメイトだけど。」
「私、理沙とは親友なの。びっくりしたよ~。悠馬君と同級生だなんて。」
ゲッ!?
あの気の強い渡部と星野さんが親友?
信じられない・・・。
「・・あ・・・あいつといつから親友なの?」
「理沙と?・・・まだ、私が学校行けてる時だから・・・小3ぐらいかな?」
ずいぶん行けてないんだな、学校。
「ふーん。」
俺は興味の無いように受け流した。