「さよなら」って言って?
「・・・居た・・・!」
確かに後ろから聞こえた。
星野さんの声。
「ここに居ると思った。」
俺は振り返った。
「俺も、ここに来ると思った。」
星野さんは俺の隣に来る。
「今日だね試合、退院したら見に行くの?」
「どうかな?行けなさそう。」
「そっか・・・。」
少し沈黙が続いた。
「なぁ、話があるんだけどさ・・・・。」
「ん?何?」
告ろうと思った。
一か八か、試したくなった。
でも、唇が震えて声が出せない。
心の中で、出会って3日で告らなくてもいいのじゃないか、
と思ってしまう。
少し経って星野さんは「何?」と首を傾げた。
俺はプライドを決めた。
震えている口を開ける。
「星野さん、・・・好きになってしまいました!付き合ってください!」
どんだけダサい告白だろう。
俺は土下座ぐらい頭を下げてそう思った。
少しこの形で止まった。
「顔あげて?」
星野さんが優しく話しかけてくれる。
俺はゆっくり顔を上げた。
上げた途端、星野さんは頭を下げた。
「ごめんなさい!付き合うことは、・・・できない。」
星野さんは顔を上げる。
目を合わせて言った。
「でも、悠馬君はとても大切な友達です。とても大好きです。これからも一緒に居たい・・・。」
「・・・・分かった。」
心のどこかでほっとした。
けど、心残りがある。
『とても大好きです。』なのに・・・『ごめんなさい!』。
俺は、モヤモヤは残った。