「さよなら」って言って?

約束

 病院に行ってから1週間。

引き返されて、星野さんとは2週間ほど会えてない。


 俺は、足は良くなって、ダッシュはできないけど、
ジョギング程度の軽い走りはできるようになった。


 渡部は様子も少しおかしくて1週間になる。

まだ変わらない。



 そんな頃の学校の朝の事だった。

「おはよ。悠馬。」

「オッス、楓。」

いつも通りのあいさつだ。

 そこに渡部が登校してきた。

「おは、渡部。」

「・・・おはよ。」

まだ様子が変だ。

渡部はまたため息をつく。

俺たちはまた、渡部の机を囲んだ。

「おい。今日もかよ・・・・?」

「有田。」

「ん?」

「ささら、会いに行けるよ?」

「マジ!?」

「うん。調子よくなった。病室は変わったままだけど。」

「分かった、サンキュ。」

俺は治ったばかりの足で走った。

「おい。悠馬!どこ行くんだよ。」

「星野さんの所!今日学校休むわ。」

「えっ?おい。悠馬!」

 楓の声が聞こえたのはここまでだった。


 俺は夢中で走った。
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