「さよなら」って言って?
 【理沙said】


 ガラガラガラ・・・。


 「ささら。大丈夫?」

「うん。たぶん・・・。」

私はあの話を聞いてから、さらに積極的にささらに会いに行くようになった。


 「ゴホッ!ゴホッ!!」

「大丈夫?」

私はささらの背中をさする。


 あいつのせいっていうわけではないけど・・・。
有田に出会ってから、確実にささらの病状が悪化していた。
 誰が見てもわかった。


「はい、ティッシュ。」

「ありがとう・・・。」

私は血の付いたささらの手にティッシュを渡した。


「ねぇ、リサ?」

「ん?」

話し出したのは、ささらから。

「悠馬君、スタメン入りしたってね?」

「そうなの?」

「うん。さっき、メール来た。」



すごく笑顔で言ってきた。


すごく苦しいはずなのに幸せそうだった。



「でも、試合見に行きたかったなぁ~?」

「先生に1日だけ外出許可もらえば?」

「いや、無理だよ~。昔はできたけど、こんな病状じゃ。」

「なんかごめんね。」

「いいの。・・・でね!屋上でみようと思うの。だからさ、望遠鏡買ってきて!?」


ビックリした。屋上なのに喜んでいるから。


私は笑いながら、言った。

「いいよ。望遠鏡ね。」

「うん!」
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