「さよなら」って言って?

思い出の病室

次の日・・・。

俺は授業が終わると、すぐにバッグ片手に病院へ走った。


こんなに走ったの久しぶりかも・・・。
部活出てないせいか、体力が落ちて、病院に着いた頃には過呼吸状態になっていた。



俺は、星野さんの病室前で、一回深呼吸してからドアを開けた。

ガラガラガラ・・・。


彼女はベッドに座っていた。


ドアを開ける音に彼女は気づいた。


「悠馬君!!」


俺は一歩ずつ進もうとしたら、星野さんはもうすぐそこまで来ていて・・・。


「・・・会いたかったっ!」

彼女は俺の腰をギュゥーっと包み込んでくれた。

俺も、腕を彼女の腰に回し包み込む。

「俺も、会いたかった・・・。星野さんと会えなくなって、自分がメチャクチャになるかと思った。」

さらに腕に力を入れた。

「・・・あんな電話してゴメン・・・。ホントは会いたかった。私もメチャクチャになるところだった。」

「ささら・・・。」

俺は初めて「ささら」と呼んだ。

俺の腰に巻かれていたささらの腕は一瞬緩み、そしてまた強くなった。

「悠馬君・・・。」

本当に会いたかった。

そして、会えてよかった。


俺の目の前にいるささらを見て、そう思い返した。

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