路地裏物語屋
突然の事だった。
僕のお兄ちゃんが弟になっていた。
6歳も年の離れたお兄ちゃんは中学3年生だ。
少なくとも昨日まではお兄ちゃんは確かに年相応の見た目で、年相応の頭を持ってた。
原因は多分あれ。
昨日の兄弟ゲンカの時、僕が頭をひっぱたいたのが原因。
だから、背もちっちゃくなって頭も僕より悪くなっちゃったんだ。
今日はおかーさんもおとーさんも、お仕事でいないのにどーしよう。
「ゆーた、らいじょーぶ!オレ、おにーちゃんできるよ!」
ニコニコしながらこちらを指差す幼稚園児は完璧、僕より年下だ。
小さな頃、僕の着てた服を着て、焦る様子もない。
前々から僕がお兄ちゃんなら良かったのにって思っていたけど…………
「ん?なーに?ゆーた。」
これは本当に困った。