俺、兄貴になりました②
「しょーにぃー!!」
突然聞こえてきた叫び声に、翔輝はびくりと肩を震わせた。
何があったんだと声のした方に向かうと、高2になった翠が階段の上から呼んでいた。
「どうしたー?」
「慶が起きねーのー!」
「あー…」
実は中学からバスケ部に入っていた慶は、高校でもバスケを続けていて夜遅くまで練習しているためか、なかなか起きられないようだ。
しょうがない、と階段を上がると、ちょうど雷と惶が部屋から出てきた。
「おはー」
「何してんの?」
そう言ってふぁー…と同時に欠伸をする双子。
「雷にぃ、煌にぃ。慶が起きないんだ」
翠の言葉を聞いて寝ている慶を見た双子は、スタスタと慶の元に行き…。
ドス!!
「「オラァ、起きやがれー」」
2人して慶の上にダイブしやがった。
「うぎゃあっ……し、死ぬ!」
途端に目が覚めた慶が苦しそうにもがく。