俺、兄貴になりました②
別にイケメンじゃないと言われたわけではないけど、兄貴や弟を見てるとね。
「俺もモテたい」
ちょっと羨ましくなる。
そう言った瞬間、ゴツンっと鈍い痛みが走った。
「痛ってぇ!!」
「モテてるやつが何言ってやがんだ!嫌味か、コラァ!!」
は!?
「俺がいつモテたんだよ!」
「これのどこがモテてないって!?」
そう言ってチームメイトこと、駿介が指差したのは体育館にある六つのドア。
「キャー!!久遠くーん!!」
「カッコイイーー!!」
わらわらと集団になって体育館を覗く女子。
でもあれって…。
「俺の兄貴目当てじゃねぇの?」
俺に媚び売って兄貴達に近づこうって魂胆だろ?
そう言うと、駿介は盛大なため息をついた。
「お前の兄貴がトップアイドルだとか、プロサッカー選手だとかって知ってるの俺だけだろーが!!」
あー、そうだったかも。