俺、兄貴になりました②
練習で疲れ切って家に帰ると、翠にぃが迎えてくれた。
「おかえり、慶が一番乗りだよ。お風呂入っといでよ」
「はーい」
洗濯物を畳む翠にぃを見た。
…やっぱカッコいいよな。
翠にぃは優しそうな顔をしたイケメン。
まぁ、実際すげぇ優しいんだけど。
絶対モテるだろうに、翠にぃは家事に追われて恋愛してる暇なんてないんだろうな。
なんてことを考えた。
陽はクールで落ち着いた雰囲気を纏ったやつ。
外見ももちろんイケてる。
なのに恋愛に興味がないという、かなりもったいないやつだ。
翔にぃと双子の兄貴達は言うまでもない。
兄弟の俺から見てもかっこいいと思うんだから、相当かっこいいはず。
俺も、兄弟みたいにかっこいいって思われてんのかな?
「なぁ、翠にぃ」
「ん?」
「俺って……」
ーーかっこいい?
なんて聞けるか!!
ただのナルシストじゃん!!
「な、なんでもないっ」
「え、ちょ…慶!?」
バタバタと走って脱衣所に向かい、服を脱ぎ捨てて風呂に入った。