俺、兄貴になりました②
「危ねぇって!おいっ…」
ん?
誰もいないはずなのに、何故か声が聞こえてきた。
え、なに…?
「押すなお前らっ…」
しかもこの声、すごく聞き慣れた声だ。
「「うわぁああっ!!」」
そんな叫び声と同時にガサガサッと勢い良く植木から出てきた人物達を見て、俺は一瞬にしてパニックになった。
「な、なななんでいるんだよっ!!」
「「どーもー…」」
その人物達というのは言うまでもなく。
……俺の兄弟だった。
「ごめんごめん。心配だったからさ」
ごめんよ、と手を顔の前で合わせる翔にぃ。
心配だからって人のプライベートにまでついてこないでよ!!
「「だってせっかく髪セットしたんだもん、見たいじゃん」」
「そういう問題じゃないから!」
アイドルの双子は相変わらずだし。
「「慶、お土産はー?」」
「買うわけないだろ!!」
サッカーバカの双子も相変わらずのマイペース。
つーか。
「兄貴達、仕事はどうしたんだよ!!」
「「休んだけど?」」
……。
そんなさも当然のような顔をして当然のように…。
どんだけ自由なんだよ!!