俺、兄貴になりました②
とりあえず駆け寄る。
「だ、大丈夫?」
「あ…ごめんなさい。大丈夫です」
女の子が顔をあげた瞬間、俺の心臓がドクンっと大きく音を立てた。
小顔にパッチリとした目と、小さな唇、そしてほんのりとピンクに染まった頬。
え…。
なに?
この感じ……。
その子から目が離せない。
「あ、あの…?」
はっと我に返って、女の子に手を差し出す。
「立てる?」
「はいっ…ごめんなさい、私よくこうやってドジしちゃうんです」
えへへっと困ったように笑うその子が可愛くて。