ビーズ・バ・ラッド
1.高校生。「似合うじゃん」
「似合うじゃん。髪。」



アイツにそう言われた時、自分でも頬が赤く、熱くなったのが分かった。

『やめてよ。私のことなんか好きじゃないくせに。』
『付き合っている子が他にいるくせに。』
『期待させないでよ。みじめになるじゃん。』

別に好きなんかじゃない、別に。
ただ少し、気になっているだけだよ。
自分にそう言い聞かせてみるけど。

心は、いつも素直でー…。


アイツに「似合っている」と言われた、髪型を毎日している自分。

呆れるよ。
みじめだよ。
馬鹿だなぁって自分でも思うよ。
でも、少し。
本当に少しだけ。
心は、ほわんと温かくて。

この気持ちは、一体ー…何?
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