ビーズ・バ・ラッド








「ふぅちゃんっ!どうしたの??」
「ー…え?何?」


小学校からの付き合い。
親友である。
結城奏(ゆうきかなで)が私の顔を覗き込む。

「ふぅちゃん、さっきからタメ息つき過ぎだよ?暗い顔して。緊張してるの?」
「緊張はしていないよ。ただー…」
そこまで言って、息詰まる。

奏に、
『朝から、胸がチクチクする。苦しい。』
なんて言ったってどうにもならないだろう。
いくら親友とはいえ、医者ではないのだから。
『そうなんだっ!?何でだろうね?』
で、話は終わるに決まっている。

「ふぅちゃんっ。ただの続きは…?」

奏が心配そうな顔で聞いてくる。
でもー…

「ううんっ!何でもないよっ!!
少しだけ緊張しているみたい。
新しいクラスに馴染めるかなーって。
奏と、バラバラになっちゃったしさっ!」
「えーっ!?本当??
まぁー…っいいやぁ。
確かにっ!!クラス離れちゃったねーっ
でも、体育は一緒だから。
お互いに頑張ろうね❀」

奏は、一瞬怪しそうに顔を曇らせたがすぐさまいつもの優しい笑顔を向けた。


本当に、奏は昔から変わっていない。

ほんわかおっとりしていて、心優しい。
小学校のときクラスで名付けた、
『癒やしのかなでスマイル』
も健在だ。
奏の周りはいつも、幸せオーラが漂っている。
奏がいるだけで、空気・雰囲気が変わる。
私はいつだって奏に、癒やされ救われていた。



ー…というような事を考えている間に、学校に着いた。



いよいよだ…!!!!



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