隣のあなた。
「こちらへ……」
そう言われ、男が乗ってきたであろう車に乗せられた。
車には私と男だけ。
「突然で驚かれたでしょう…」
『どういう事か、説明してください』
男はバックミラー越しに話し出した
「紗織様のお母様、皐月様は大蔵財閥、大蔵宗一郎の娘です」
大蔵財閥……
聞いた事はあった……
だって……有名だもん。
お母さんが、その娘?
「皐月様は一人娘でしたので、会長に可愛がられていました」