隣のあなた。


「こちらへ……」


そう言われ、男が乗ってきたであろう車に乗せられた。


車には私と男だけ。


「突然で驚かれたでしょう…」


『どういう事か、説明してください』


男はバックミラー越しに話し出した

「紗織様のお母様、皐月様は大蔵財閥、大蔵宗一郎の娘です」


大蔵財閥……
聞いた事はあった……
だって……有名だもん。

お母さんが、その娘?

「皐月様は一人娘でしたので、会長に可愛がられていました」
< 12 / 285 >

この作品をシェア

pagetop