隣のあなた。
『は……半分?いや、いりませんからっ』
大蔵財閥の大蔵宗一郎の遺産の半分って
私にはあり得ない大金だって事くらいわかっていた。
「相続を破棄するっという事でしょうか」
『します、します!破棄します』
男はため息混じりに
「紗織様が破棄する場合……遺言では会長の遺産全て…寄付に回ります。そうされますと……皐月様のお兄様方がなんておっしゃるか……」
『…そんなの、私には関係ありませんっ』
初めて知るお母さんの兄弟なんて
私には関係なかった。