恋愛ドクター“KJ”
「あのね、多数決ってね、公平にものごとを決める方法って思われてるでしょ。でも、落とし穴があるんだ。ある方法を使うと、多数決のゆくえ、結果を自由にコントロールできるんだよ」
ゆっくりと、静かに。いつものKJの話し方ではあるが、その内容は完全にキレていた。
≪そんな。ありえないわっ!
ぜったいにムリよ!≫
アスカは心の中で叫んだ。いくらなんでも多数決を自由に決められるはずが無い。
「アスカは、いま、『そんなのムリだ』って思ったでしょ
でも、本当なんだ。多数決ほど簡単にコントロールできるものはないよ‥‥」
心を見抜かれたようで気分は良くないアスカだが、話の続きは聞きたかった。
「なんでもいいから、早く話しなさいよ!」
「そうだよKJ。そんなこと、本当にできるのか?」
アスカも一也も、目は真剣だった。
「わかった、わかった。聞いていて分らないところがあったら質問してよ。
たとえば、ここに30人がいるとして、そこで何かを決めるとするよ。
北海道と沖縄の、どっちへ行くかってことを決めるんだ。
この場合、討論を始める前に、各自が希望する行き先を答えさせると、何人と何人に分かれると思う」
「う~ん、話し合いを始める前なら、15人ずつって考えるのが自然だよ」
一也が言うと、アスカも同意した。
「そうだね。15人ずつって考えるのが普通だよ。30人が半分に分かれるんだ。
じゃあ、その30人を別の角度から見たとき、というか、2つのグループの15人を見たとき、みんな同じ考えかな?」
今度のKJの質問は、アスカと一也には意味が分らなかった。
15人ずつは同じ考え、意見に決まっている。
だからこそ2つのグループに分かれたのだ。
「それぞれのグループ内では、全員が同じ意見でしょ」
今度はアスカが答えた。
「うん。普通はそう思うよね。でも、15人の意見は違うんだよ。というか、最初の30人は、大きく3つのグループに分けられるんだ」
≪3つのグループ? なに??≫
アスカも一也も、KJの説明が分らなかった。
ゆっくりと、静かに。いつものKJの話し方ではあるが、その内容は完全にキレていた。
≪そんな。ありえないわっ!
ぜったいにムリよ!≫
アスカは心の中で叫んだ。いくらなんでも多数決を自由に決められるはずが無い。
「アスカは、いま、『そんなのムリだ』って思ったでしょ
でも、本当なんだ。多数決ほど簡単にコントロールできるものはないよ‥‥」
心を見抜かれたようで気分は良くないアスカだが、話の続きは聞きたかった。
「なんでもいいから、早く話しなさいよ!」
「そうだよKJ。そんなこと、本当にできるのか?」
アスカも一也も、目は真剣だった。
「わかった、わかった。聞いていて分らないところがあったら質問してよ。
たとえば、ここに30人がいるとして、そこで何かを決めるとするよ。
北海道と沖縄の、どっちへ行くかってことを決めるんだ。
この場合、討論を始める前に、各自が希望する行き先を答えさせると、何人と何人に分かれると思う」
「う~ん、話し合いを始める前なら、15人ずつって考えるのが自然だよ」
一也が言うと、アスカも同意した。
「そうだね。15人ずつって考えるのが普通だよ。30人が半分に分かれるんだ。
じゃあ、その30人を別の角度から見たとき、というか、2つのグループの15人を見たとき、みんな同じ考えかな?」
今度のKJの質問は、アスカと一也には意味が分らなかった。
15人ずつは同じ考え、意見に決まっている。
だからこそ2つのグループに分かれたのだ。
「それぞれのグループ内では、全員が同じ意見でしょ」
今度はアスカが答えた。
「うん。普通はそう思うよね。でも、15人の意見は違うんだよ。というか、最初の30人は、大きく3つのグループに分けられるんだ」
≪3つのグループ? なに??≫
アスカも一也も、KJの説明が分らなかった。