恋愛ドクター“KJ”
 「きょう、告白するっていうのは、僕の推測で確率は70%くらいかな。
 あの女性、きょうは少し大きな仕事を任されていて、それを成功させたことで自信を持てたと思うんだ。
 そこを、前々から気にかけていた男性に褒められて、しかも食事に誘われたでしょ。だから、気持ちは前向きになっているし、何よりハッピーな状態なんだ。
 であれば、告白するチャンスだよ。二人っきりで食事だしね」

 「まあね‥‥」
 それにはアスカも同意した。

 「でも、あの男性、仕事の上では女性のことを大事な部下だと考えているけど、一人の女性としては相手にしていないから、女性の告白も断るよ。
 『いまは、仕事のことに集中したい』とかいってね。
 まだ30代の中ごろだと思うけど、あの歳で課長だからね。社内でも仕事ができることで知られているはずだし、その言い訳なら女性も納得しやすいしね。
 きょうも、女性の“お守り役”で一緒に行ったんだよ。
 何かあったらフォローできるように‥‥」

 「ちょ、ちょっと待って!
 あの男性が30代の中ぐらいっていうのはいいけど、どうして課長だとか、女性のお守り役なんていえるの?
 それって決めつけすぎじゃない!!」
 KJの説明を認めながら聞いていたアスカも、そこには納得できなかった。
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