恋愛ドクター“KJ”
みどりを交え、4人での話し合いが持たれた次の日、みどりは予定通りに祐二を誘った。
どういう具合に誘ったのかは聞かなかったが、夏休みに、みんなして遊びに出かける‥‥という案には祐二も賛成ということらしく、金曜日の話し合いの場には喜んで参加するという流れになった。

「KJ。あなたが言ったとおりに祐二君を誘ったんだから、絶対に上手くいく方法を考えてよ。
これで失敗したら、あなたが偉そうに話していたコトは、みんなウソだったってコトになるんだから」
アスカだった。
KJ、そして一也と一緒に乗ったスクールバスの中で、そう言った。

「たぶん、大丈夫だとは思うけど、どんなことにも失敗はあるから。
それに、みどりと祐二の一件と、ジャンケン理論や多数決理論は別の話だと思うけど。
一緒に考えない方がいいよ」
KJは、説明口調で答えた。

「なにいってるの! そんなこと一緒でも別でもどうでもいいのよ。みどりを泣かしたら、どうなるか分ってるでしょうねっ!」
アスカは、どんな些細な失敗も許さないと言わんばかりの顔だ。

「しかし、ひでぇ話だな。
何が何でも成功させて男と女をくっつけろって言うんだから‥‥」
笑いながら一也がKJの味方をした。
「いいのよ。
いままで、一也だって、KJに騙されて何度もお昼を驕ってるのよ。
ここで少しくらいは人の役に立たなかったら地獄におちるわよ」
アスカがKJを地獄に落としそうな勢いだった。

「わかったよ。地獄に落とされたくないし、上手くいく作戦を立てるから。
実は、みどりと祐二に限らず、告白したときに、80%の確率で相手にYESって答えさせる方法があるんだ」

「80%? ダメよ。ダメ!
100%でなきゃダメよ!!」


3人があれこれと話をしている間に、スクールバスは飯能駅に着いた。


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