小指を絡めて明日を望む
明日を望む
世界はなんと残酷なのか。
もし、美人に生まれていたならと考えたことがある。美人だったら。身長も今よりもう少しあって細かったら。それでいて胸もあって頭がよかったら。
人並みになにかができるのが普通だとして、私はそれでしかない。いくら頑張っても、だ。
膿んでいる傷は、決して癒えることはないことを誰が知っているというのか。
「ナイーブだね」
「だって、私まだ若いもの」
そういうと、悠哉が低く笑い「俺だって若いさ」という。
「嘘。だって女子高生を買ったらどうなるかわかってるでしょう」
制服のスカートのひだが変になるのもかわまず、私は椅子に座ったままあくびをした。
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