小指を絡めて明日を望む
あのとき、私はくだらないと思った全てに別れを告げようと思った。
頭の良さばかりをああだのこうだのいう親も、いい大学に入れるのに躍起となっている先生方も、自分一人じゃ何も出来ない糞女らも、ヤりたくてうずうずしている糞男らも、みんなみんな邪魔だと思った。
逆を考えると、私が奴等にとって邪魔なんだろうが。
ああ、そうか。
邪魔なら、捨ててしまえばいい。
だから一通り、経験してみよう。そう思った矢先に、この悠哉に私は買われた。なのに、彼は私に"大人"を教えない。
なに、と返せば、じっと見てくる目にたじろいだ。こんな風に見てくる人は、もう悠哉しかいない。
「すれてんな」
「悪い?」
「いんや。ナイーブな結果だろ」
「ナイーブナイーブ言うな」
文句をつける。ナイーブ。なんだそれ。繊細だってか。