小指を絡めて明日を望む






 すっと、消えてしまいたい。

 でも痛いのは嫌だ、という我が儘さに呆れたくなるが。



「女子高生は価値がある」
「なによそれ」
「人にじゃない。女子高生、という肩書きにさ。それだけに限らず、人にではなくモノに対するファンがいすぎる」
「意味わからん」
「だから、キャラとか。私のキャラって、私じゃなく、キャラの方をみんな求めて好いてここに居てほしい、みたいな」
「今ボケキャラ必要だから、ボケキャラの私が使われてるって感じ?あー、わかるなぁそれ」



 店内の人の声が、遠い。
 はたから見て、私らはどう見えているのだろうかとふと思う。
 ずずず、と飲み物が音をたてた。
 


「キャラなんてないのにね」


 
 みんな、欲しいのは特別さ。自分だけというもの。羨望の目と、私はここにいてもいいという許可と安心。

 誰もいない私に、誰がそれらをくれるというのだろう。
 ため息。


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