大嫌いな社長に復讐を…。~意地悪社長VS子持ち家政婦の恋の行方は!?~②巻。
私が居なくなったから泣き出してしまったようだ。
「はいはい。今行くから」
慌てて写真立てを戻すと書類を持って部屋を出る。
早く会社に行かないとアイツにまた嫌味を言われちゃう。
香月を抱っこヒモで固定すると会社に向かうためマンションを出た。
そう言えば、会社に行くのは、久しぶりだわ。
怒鳴り込みに行った時ぐらいかしら?
あの時は、もう腹が立つやら生活のためにとか思って乗り込んだんだっけ…
今でも復讐を諦めた訳じゃないけど
まさか次に来る時には、アイツの子供を抱っこして忘れ物を届けるなんて…世の中何が起きるか分からないものね。
今回は、タクシーで行く事にした。
急ぎだし…
受付に行き
「ココの社長に忘れ物を届けに来たのだけど」
「えっ?失礼ですが…お名前の方は?」
新人みたいね…見ない顔だし。
「一条院梨花が来たとお伝え下さい。
それで通りますから」
「一条院…?」
聞き覚えあるのか驚いた表情をする新人受付嬢。