大嫌いな社長に復讐を…。~意地悪社長VS子持ち家政婦の恋の行方は!?~②巻。
「……そうだな。
お前は、母親だもんな。悪い。
頭を冷やしてくる」
そう言うとアイツは、行ってしまった。
「……。」
追いかけなくちゃあ…そう思った。
アイツを1人にしない方がいいと
「舞さん。香月と美桜をお願いします!」
「は、はい。」
舞さんに香月と美桜を預けるとすぐ追いかけた。
病院の外に出て行くとアイツは、夜風に当たっていた。
風に揺られ髪がなびいていたが、悲しそうな表情だった。
「…直輝…」
初めてまともに名前を呼んだ。
「…今頃…呼ぶのかよ」
そう言ってこちらを見ると静かに笑う。
だが、今にも泣きそうな…そんな表情だった。
私は、すぐさまアイツの所に駆け寄ると抱きついた。
悲しさは、私にも分かる。
大切な人を亡くした悲しみ。
きっと…今その気持ちに近いだろう。
「……っ!!」
ギュッと私を抱き締め返してくるアイツ。
微かに身体が震えていた。
「いいのよ…泣いても。あんたは、1人じゃないんだから」