【完】あんな美容師に騙されない!
「愛とか?」
旭と向かいに座っていたため旭は俺の顔を見て、右手にビールを持ちピタッと動作が止まっていた。
「どうした? 愛足りないのか? 」
旭は、瞬きせずに俺を見てくる。
そんなに俺の発言、やばかったか?
ベニは旭の隣に座り、頬杖をついて
俺に聞いてくる。
「翔太くん。愛、足りないの? 恋人はいないの?」
「冗談だから。本気にしないで」
俺はジッと見てくる旭とベニが怖くなった。
「……本当かな?」
旭も頬杖をついて、俺を見てくる。
「本当かな?」
ベニも頬杖をついて、俺を見てくる。
「本当だよ! なんでそんな」
「あはは」
旭とベニは目を見合わせて笑っていた。