【完】あんな美容師に騙されない!
やってしまったーと頭を抱えながら俺は
土下座するように床に這いつくばった。
どうしよう、あんなこと言ったらもっと悪化して部屋に引きこもってしまう。
そう思っていたら、ガチャとドアがあく音が聞こえた。
後ろを振り返ると、旭が出てきた。
「旭」
俺は旭を呼んだ。
「……翔太。ゴメン、俺……ベニの思いなんて気づいてなかったんだ」
旭は、何日も寝てなかったのか元々のボサボサ髪がものすごくひどくなっていた。
また、お風呂も入ってないせいかTシャツやズボンが汚い。
「……そっか。まず、風呂入ってきな」
俺はいつもより優しい言葉をかけた。
「ああ」
旭はそう言って、歩き始めた。
それから、旭はきちんと生きようと心に決めたのか美容院ベニを店長としてやり始めたのだ。
*
「……というわけでーす」