【完】あんな美容師に騙されない!
高木旭は、椅子をあげて私は椅子に座った。
「ちょっと待って下さいね」
高木旭は私にそう言ってまた消えた。
数分後。
高木旭が戻ってきて、私の髪を切り始め
た。
「切っていきますね」
私は机にあった雑誌を読み始めた。
あまり、高木旭を見ないようにした。
さっきの話聞かれていたのに、怒っているのかよく分からないからだ。
その時、高木旭は私に話しかけてきた。
「名前って聞いてなかったですよね?名前は?」
私は、え、えーとと言って、
読んでいた雑誌を開いた状態で
鏡を見ないで、
「い、池脇波です」
と言った。
高木旭は、
「へえー、漢字でどういうふうに書くの?」
私は、さざ波の波ですと答えた。
「あはは。例え、可笑しい、池脇さん
面白いね」
いや、可笑しくはないよ。
言葉として成立しているし、そんな面白い要素あった?
高木旭は、私の髪をハサミでジョキジョキ切っていく。
私の髪は、ボブだったのがシュートヘアに生まれ変わる。
これから、築地先生には私の意見もちゃんと聞いてくれるようにしよう。
だから、私は生まれ変わる。