【完】あんな美容師に騙されない!
最初に私は階段を上って、後ろに朝比奈は私について行くようになにも話さずに私の部屋へと向かっていた。
「ちょっと待って。私の部屋汚いから整理するから」
「どんだけ汚いんだよ。分かったよ。待ってる」
朝比奈は私の部屋の前で肩をあげて、呆れているようだったが、すぐ口を緩めていた。
私はドアノブを掴み、部屋へと入った。
「ふぅ。じゃあ片付けるか。いや片付づけられるか?」
私は一人で自分に呟いた。
でも、寒い中朝比奈を待たせる訳にはいかない。
ゴミが散乱するリビングなどを中心に急ぎ足で片付け始めた。
そして……数分後
「よし、いいだろう。これなら朝比奈入れられる」
私は雑巾を右手に持ち、左手に腰をあてキョロキョロと私の部屋を見渡した。
完璧と言っていいほど、綺麗で。
自分の部屋かというくらい。
どんだけ私の部屋汚かったんだと痛感される。
私は朝比奈を呼ぶためにドアを開けようとした時、朝比奈と誰かの声が聞こえてきた。
「朝比奈、終わったよ…変人美容師?」