【完】あんな美容師に騙されない!
高木旭は、奥の部屋から何かを取りに行った。
私は昨日と同じ椅子に座っていることに気づいた。
昨日とは違い、やけに静かだ。
変わらないのは、美容師の顔と経歴はキラキラ輝いている。
鏡越しを見ると、高木旭がいた。
私は、思い切って聞いた。
「あの、今日はなんの為に私は呼ばれたんですか?」
高木旭は、つまらなそうにこう答えた。
「メモにも書いてあっただろ。変人って言った罰としてだ」
高木旭は、冷たい声でそう言い放した。
「それだけでこのベニ休みにしていいんですか?」
「…俺は店長だからな。それより、昨日のこと謝罪はないのか」
「あ、昨日は本当にすいません。初対面なのにこんなこと言って」
私は、深々とおあびをした。
「まあ、いい。今日は、変人と言った罰として、お前の髪を手入れする」