【完】あんな美容師に騙されない!
私は、朝比奈に頭を撫でられただけで顔が赤くなった。
何故朝比奈に頭を撫でられただけなのに‥……
私は、もしかして、男に免疫がなくなったのか。
でも、あの変人美容師には‥論外だ。
いや、男に免疫がなくなった訳で無い。
ただ私は男性に触れられたり、自分の顔が近くなるとドキドキするだけだ。
普通の女性と同じだ。
ふむ、ふむ、そうだよ。
私は納得して、文字を打ち続けた。
カタカタ、カタカタと数時間うち続けて、築地先生が授業を終えてやってきた。
「お疲れ様!出来た?」
築地先生を見ると、目にクマが出来ていた。
「お疲れ様です。クラス冊子は完成しました。築地先生は大丈夫ですか?」
腰を痛そうに手で押しながら言った。
「大丈夫よ、それより、また頼んでいい?」
渡されたのは、生徒達の宿題だった。
私は、築地先生を見た。
見ると、本当に腰を痛そうに手で押さえて立っていた。
「分かりました。やってきます」
「ありがとう!じゃあ、わたしは今日あがらせてもらうわ」