【完】あんな美容師に騙されない!
「ふーん、そうなんだ」
倉田さんは、まだニヤニヤしていた。
「何ニヤニヤしてんだよ」
「べーつに、ねえ、望ちゃん」
望は、倉田さんの隣で変人美容師と倉田さんの話を聞いていた。
「そうですね」
望は、腕を組んで私を見て言った。
私は、なんだろうと思ったが、倉田さんが行こうと言い出した。
私達は、美容のビルを目指して歩き始めた。
倉田さんは、望にじゃあそれでと望に言い、変人美容師の元へ行った。
私は望に話しかけた。
「ねぇ、さっき倉田さんに何か言われてなかった?」
「なんでもないよ」
望は、正面を向きながら真顔で答えた。
「ふーん」
私はあまりにも不自然な望を見て、言った。
私達は、美容のビルを目指して歩き始めた。
変人美容師と倉田さんは、私達の前を歩き、私と望はその後ろを歩いていた。
たわいもない会話をして、美容師「ベニ」から私が歩いたことがない道を歩いていたら、あっという間に着いた。