獅子王とあやめ姫
造作なくその頁(ページ)をめくるイゼルベラ。
どうやらこの本は熟読しているようでどこにどの花があるのか把握しているらしい。
ほっそりした指の先に薔薇が華やかに花開く中、イーリスはふとある花に目を引かれた。
(この花……。)
どこかで見たことがあるはずだった。
「このパセスもキレイでしょう。」
ちょうどイゼルベラもその花に触れた。
「確か花言葉は『心の安らぎ』だったはずだわ。」
頭の中で何かが繋がり、イーリスははっとした。
母との最後の別れの時、彼女の手にいつの間にか嵌められていた指輪。
その指輪に彫られていたのが、このパセスの花だったのだ。
でもなぜ……。
どうやらこの本は熟読しているようでどこにどの花があるのか把握しているらしい。
ほっそりした指の先に薔薇が華やかに花開く中、イーリスはふとある花に目を引かれた。
(この花……。)
どこかで見たことがあるはずだった。
「このパセスもキレイでしょう。」
ちょうどイゼルベラもその花に触れた。
「確か花言葉は『心の安らぎ』だったはずだわ。」
頭の中で何かが繋がり、イーリスははっとした。
母との最後の別れの時、彼女の手にいつの間にか嵌められていた指輪。
その指輪に彫られていたのが、このパセスの花だったのだ。
でもなぜ……。