獅子王とあやめ姫
虚偽の喧嘩
「最低!てぃ、ティグリスさま、あなたがこんなに酷い方だったとは知りませんでした!」
パァンと頬を張られてティグリスは面食らった。
驚くと共に、次に何が起こるんだろう…とワクワクテカテカしている侍女の様子を目の端で確認しながら、真っ赤な顔のイーリスに向き合う。
「どうしたんだ、僕が何かしてしまったのか?まずは落ち着いてゆっくり__。」
「ほ、放っておいてください!」
そう吐き捨てると、まるで何かに追われているかのようにだだだっと部屋を飛び出してしまった。
「お連れ戻しして参ります!」
「良い。お前は仕事に戻れ。」
あたふたと出ていこうとするパピアをフィストスが止めた。
え?と戸惑う彼女に目配せして外へ出し、廊下へ出てあらかじめ隠れていた部下に合図を送る。
音を立てることもなく去っていく部下の背中を確認し、ティグリスたちはミェルナの後を追った。
* * *
(出てすぐ左。突き当たりの階段を下りて、そのすぐ下の階。また左に突き進んで、細い渡り廊下を渡る。)
イーリスは予めティグリスに教えられた道を走った。
パァンと頬を張られてティグリスは面食らった。
驚くと共に、次に何が起こるんだろう…とワクワクテカテカしている侍女の様子を目の端で確認しながら、真っ赤な顔のイーリスに向き合う。
「どうしたんだ、僕が何かしてしまったのか?まずは落ち着いてゆっくり__。」
「ほ、放っておいてください!」
そう吐き捨てると、まるで何かに追われているかのようにだだだっと部屋を飛び出してしまった。
「お連れ戻しして参ります!」
「良い。お前は仕事に戻れ。」
あたふたと出ていこうとするパピアをフィストスが止めた。
え?と戸惑う彼女に目配せして外へ出し、廊下へ出てあらかじめ隠れていた部下に合図を送る。
音を立てることもなく去っていく部下の背中を確認し、ティグリスたちはミェルナの後を追った。
* * *
(出てすぐ左。突き当たりの階段を下りて、そのすぐ下の階。また左に突き進んで、細い渡り廊下を渡る。)
イーリスは予めティグリスに教えられた道を走った。