獅子王とあやめ姫
役者のように大袈裟に呼び合い抱き合う二人。
「ああ、今生の別れがこんなにすぐそばに迫っていたなん__。」
のりのりで口上を述べていたテリが唐突に黙った。
ふざけて向い合わせで抱き合っているのでテリが何を見たのか分からず怪訝に思ったが、そのあとに聞こえてきた声で胸が高鳴った。
「イーリス!元気そうで良かった。」
二人共がばっと勢いよく離れる。
「プローティス!…しょ、紹介するね!テリって言って私の親友なの。いつも二人でこんな馬鹿なことやってるんだ。」
「初めまして!テリです~。結婚のこと聞きました。イーリスのこと、よろしくお願いしますね。」
テリが頭を下げた。
イーリスはそれを聞いて、ああ、結婚するんだなあと他人のことのような感覚ではあるが改めて思い直していた。
「初めまして。もちろん!幸せにしますよ。」
「プローティス、今日はどうしたの?」
「いや、近くに用があったから顔を見に来ただけだよ。あんなことがあった後だから。あと、これ。」
プローティスが背後に隠していたものをイーリスに差し出す。
それは一輪の薄桃色の花だった。
「ああ、今生の別れがこんなにすぐそばに迫っていたなん__。」
のりのりで口上を述べていたテリが唐突に黙った。
ふざけて向い合わせで抱き合っているのでテリが何を見たのか分からず怪訝に思ったが、そのあとに聞こえてきた声で胸が高鳴った。
「イーリス!元気そうで良かった。」
二人共がばっと勢いよく離れる。
「プローティス!…しょ、紹介するね!テリって言って私の親友なの。いつも二人でこんな馬鹿なことやってるんだ。」
「初めまして!テリです~。結婚のこと聞きました。イーリスのこと、よろしくお願いしますね。」
テリが頭を下げた。
イーリスはそれを聞いて、ああ、結婚するんだなあと他人のことのような感覚ではあるが改めて思い直していた。
「初めまして。もちろん!幸せにしますよ。」
「プローティス、今日はどうしたの?」
「いや、近くに用があったから顔を見に来ただけだよ。あんなことがあった後だから。あと、これ。」
プローティスが背後に隠していたものをイーリスに差し出す。
それは一輪の薄桃色の花だった。