獅子王とあやめ姫
すがるように駆け寄ると、彼はにっこり微笑んでイーリスをぎゅっと抱き締める。
彼の胸の温かさにほっとしたイーリスだが、ふとプローティスが優しく彼女の頬を両手で挟み、上へ向けさせた。
プローティスの顔を仰ぎ見た瞬間、イーリスは驚愕した。
「なんてな!お前なんかと誰が結婚するかよ、このクサレ脳ミソ!」
プローティスの顔がぐにゃりと歪み、みるみるうちに母を殺したあの男の顔になったのだ。
イーリスが男を突飛ばすと、男はなぜか剣を抜いて横にあった獅子の像を斬り付ける。
大きく斬り込まれた獅子の顔が断末魔の母の顔に変わり、ぎこぎこと青銅の頭を回してイーリスを睨み付ける__。
イーリスはガバッと跳ね上がった……つもりだったが、身体中の傷のせいで寝具の中で手足がわずかにビクリと跳ねただけだった。
心臓がバクバクと破裂しそうなほど脈打ち、嫌な汗がじわりとまとわりつく。
「お気付きになりましたか!ご気分は、いかがですか?」
彼の胸の温かさにほっとしたイーリスだが、ふとプローティスが優しく彼女の頬を両手で挟み、上へ向けさせた。
プローティスの顔を仰ぎ見た瞬間、イーリスは驚愕した。
「なんてな!お前なんかと誰が結婚するかよ、このクサレ脳ミソ!」
プローティスの顔がぐにゃりと歪み、みるみるうちに母を殺したあの男の顔になったのだ。
イーリスが男を突飛ばすと、男はなぜか剣を抜いて横にあった獅子の像を斬り付ける。
大きく斬り込まれた獅子の顔が断末魔の母の顔に変わり、ぎこぎこと青銅の頭を回してイーリスを睨み付ける__。
イーリスはガバッと跳ね上がった……つもりだったが、身体中の傷のせいで寝具の中で手足がわずかにビクリと跳ねただけだった。
心臓がバクバクと破裂しそうなほど脈打ち、嫌な汗がじわりとまとわりつく。
「お気付きになりましたか!ご気分は、いかがですか?」