獅子王とあやめ姫
後ろからフィストスが声を描ける。
はじめは反対していた彼も、上手いこと王子に言いくるめられて反論しなくなっていた。
「ああ。すでに部下たちにプローティス達を探させているが、僕はこれから大切な用があって数日間城を空けなければならないんだ。悪いが本格的な調査はそれが終わってからになってしまう。
それまで休養だと思ってゆっくり休んでくれ。何かあればパピアを通じて便りを寄越してくれればいい。
それに…母上のこと、気の毒だったな。」
寝具に上体を起こして座るイーリスと目線を合わせて言い聞かせ、ティグリス達は部屋の扉を開けた。
パピアと二人で長身の第一王子達を見送る。
ふと、フィストスがこちらを振り向いた。
その目に浮かんだ鋭い光を見て、イーリスは軽く背筋が凍るのを感じる。
はじめは反対していた彼も、上手いこと王子に言いくるめられて反論しなくなっていた。
「ああ。すでに部下たちにプローティス達を探させているが、僕はこれから大切な用があって数日間城を空けなければならないんだ。悪いが本格的な調査はそれが終わってからになってしまう。
それまで休養だと思ってゆっくり休んでくれ。何かあればパピアを通じて便りを寄越してくれればいい。
それに…母上のこと、気の毒だったな。」
寝具に上体を起こして座るイーリスと目線を合わせて言い聞かせ、ティグリス達は部屋の扉を開けた。
パピアと二人で長身の第一王子達を見送る。
ふと、フィストスがこちらを振り向いた。
その目に浮かんだ鋭い光を見て、イーリスは軽く背筋が凍るのを感じる。