一人
一瞬何が起こったのか分からなかった


ただ腕に走る鈍い痛みと何かが流れる感触はあった




親はその場にいたものの無反応だった
仕方が無く怪我の処置をしようと傷口に目をやったところおもったより出血がひどかった

床に規則正しく落ちる赤い水滴は私の身にとってこの上ない恐怖をもたらした

感情が入り混じり吐き出せず黙っていると涙がでてきた

自分でもその意味が解らない

ただ、ただ恐かったのを今でも覚えている









   




この傷は治ったとしても心、身体の『傷後』として私の身に刻まれ一生消えないものとなった













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