ごめん、帰らなきゃ。(完)
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜、離せっつってんだろ!?」
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜、嫌だっつってんだろ!!」
「パクんなよバァカ!! 痛いから離せっつってんじゃん!! あー、もしかしてアレか!! あたしを痛めつけて楽しいんだ。なんなんだよお前は!!
そんなにあたしが嫌いなら離せ!!」
「はぁ!? パクった覚えなんてねぇよ!
それに、いつ嫌いっつったんだよ! 」
「いつもの態度とかで普通そう思うっつーの!!」
「いつもの態度分かってるなら、なんで気付かない!?」
...なんでって? まず、何に気づいたらいいのかわかんない...。
「百歩譲って鈍感だって認めたとして、なんで思ったことを正直に言ってくれないの? 鈍感が嫌なら、気づかせてよ。
まっすぐな言葉であたしを、赤くさせて見せなよ!!」
まったく...。なんでそんなこと言っちゃったんだか...。
水無月は、びっくりしたあと、すぐに頬が赤くなった。
「わかった。...ねぇ、一回しか言わないからちゃんと聞いてよ!?
...俺、ずっと紅月が好きだった。」
水無月が気づいてほしかった気持ちって、もしかして...。
あたしのことが好きだってこと!?
いや、わかんないしっ!!
もしかして、みんなが鈍感って言ったのは、その気持ちに全く気づいてなかったから...?