ごめん、帰らなきゃ。(完)
そういう思いもこめて、強い力で紅月の腕を持って、屋上に向かった。
そこでもやっぱり言い合いは起きる。
俺と紅月を、引き離すみたいに...。
「 百歩譲って鈍感だって認めたとして、なんで思ったことを正直に言ってくれないの? 鈍感が嫌なら、気づかせてよ。
まっすぐな言葉であたしを、赤くさせて見せなよ!!」
...は? 彼氏持ちが他人に言う言葉には聞こえない。
もしかして、俺のこと好きなのか...?
そんな妄想が暴走して、俺は赤くなる。
「俺、ずっと紅月が好きだった。」
人生初告白。一応今まで、彼女作ったことはない。
ちょっと間を置いてから、ようやく紅月が口を開く。