ごめん、帰らなきゃ。(完)
"紅の月住民"。それを、なんで知ってるんだろう。
...そう言えば、水無月も"月"って入ってる...。
「おい、水無い月の住民。」
「は!? なんで知ってんだよ!」
ほら、やっぱり...。何かおかしい。
夢にしては、話が...。
「ねぇ...昨日の夜、眩しい光が来て"迎に参ります"みたいなこと言ってたんだけど、あんたもそーいう系?」
「そーだよ!! 俺もそんな感じ!!」
まるで、名字に"月"がある人全員を、この国から消してしまうように思える。
「...水無月町と、紅の月町だから...離れちゃうんだね...。」
「そんなことじゃなくて、俺らは今を頑張ろう?
先のことなんて気にすんなよ。」
「...そうだよね。」
寂しい。こっちで頑張っても、どーせみんなには会えなくなるし......。
ってか、月から迎が来るってマジ系?
「信じられない...」
「ん...」
水無月があたしの頭を優しく撫でる。
あぁ、あったい...。
この手がマジで好き。
「水無月、あたし...好きかもしれない。」