ごめん、帰らなきゃ。(完)
episode5
「咲希...。今までありがとう...」
今日は、六日目。
今日の夜に迎えが来るのかと思うと、切なくて...
たまらない。
「え? いきなり何よ?」
咲希が、キョトンとあたしを見る。
「ううん、なんでもないから!!」
知らないでいいんだよ...。だって絶対信じないだろうし。
ってかあたしが素直に礼言うとかキモいよね...。
「水無月...。今日で、最後だね...。」
あたしは水無月に無理に笑いかける。
「好きだよ...。水無月、好き。」
「...!
俺も好きだよ紅月...。って言うか、そんな可愛いこと言うなよ...。」
水無月は、照れてあたしを抱きしめる。
あたし達は、一緒に月へ帰る。
説、必ず忘れてしまう。