ごめん、帰らなきゃ。(完)
「...鳴ってないんだけど? なんでそんなに逃げようとするわけ。もしかして俺のこと嫌いなのか?」

「え? うん。そんな当たり前のこと今さら聞かないでよ。それにあたし、彼氏いるじゃん。」

あたしの彼氏と言ったら...あたし達16歳の1つ上の先輩。

かっこよくて、優しくて...。あたしの理想と言っても過言ではないぐらいの人。

...こうやって考えるだけで胸がキュウーってなる。


「...彼氏って、年下キラーのあの先輩?」

「年下キラーかどーかはわかんないけど、先輩。」

「...なぁ、紅月。そいつのこと好きだから、俺はNGなわけ?」

「当たり前じゃん。彼氏いるのにほかの人好きだなんてありえないっしょ。」

「まーな。でも、彼氏いてもその人が好きなのは、別にいーっしょ。」

「さー、どーだろーね。」


今度こそ、チャイムが鳴ってる。


「水無月!! 次、体育。早く行こーか。」


チッ...まったく、ボーっとしやがって。
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