ごめん、帰らなきゃ。(完)
体育は、女子がバドミントン、男子がバスケだった。
「あらあら。美帆、水無月めっちゃ頑張ってんじゃん。」
「へ? ごめん見てない。」
「じゃー見てあげな。あんなに頑張ってる水無月なんか、見たことないよ。誰のために頑張ってるんだろーね。」
「えぇ!? 水無月って、好きな人とかいるの!?」
「えぇ!? なに、わかってないの!?」
初めて知ったな...。まぁ、水無月も恋ぐらいするか。
「よっ、鈍感嬢王!! 」
「え!? 鈍感嬢王って失礼だけど...咲希?
あいつが、誰のために頑張ってるのかは、テレパシーとか持ってないからわかんない。」
「よ、鈍感嬢」「黙ろーか。」
咲希の口を手で覆う。
別にあたしは、鈍感なんかじゃないし。
言いがかりでしょ。でも、頑張ってる人は皆かっこいーよね。