ごめん、帰らなきゃ。(完)



体育は、女子がバドミントン、男子がバスケだった。

「あらあら。美帆、水無月めっちゃ頑張ってんじゃん。」

「へ? ごめん見てない。」

「じゃー見てあげな。あんなに頑張ってる水無月なんか、見たことないよ。誰のために頑張ってるんだろーね。」

「えぇ!? 水無月って、好きな人とかいるの!?」

「えぇ!? なに、わかってないの!?」


初めて知ったな...。まぁ、水無月も恋ぐらいするか。


「よっ、鈍感嬢王!! 」

「え!? 鈍感嬢王って失礼だけど...咲希?
あいつが、誰のために頑張ってるのかは、テレパシーとか持ってないからわかんない。」

「よ、鈍感嬢」「黙ろーか。」

咲希の口を手で覆う。

別にあたしは、鈍感なんかじゃないし。

言いがかりでしょ。でも、頑張ってる人は皆かっこいーよね。

< 4 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop