ごめん、帰らなきゃ。(完)
「......体育祭実行委員になりたい人!!」
まぁ、誰もいませんよね。
「ねぇ、有橋。」
誰も手を挙げない空間が、なんか退屈で、隣の席の有橋に声をかける。
「昨日貸してくれた、暗殺教室!! すっごい面白かった!!」
「だよな!! あの、ズコーンってなってパコーンって感じの、な!!」
「そうだよね!! あの感じいいよねっ!!」
「おーい、有橋。先生は悲しいぞ。お前が、そんなでけー声で話すなんて。」
「体育祭の実行委員、やるかよ?」
「...もちろん、いいですよ? ただし!ペアは紅月で。」
えええ!? 待って、あたしの自由どこ行った!? 拒否権は!?
「おぉー!嬉しいぞ!二人とも立候補してくれて...。」
ちょっと待ってよ。あたしは、立候補なんてした覚えない。
「あんのクソハゲ...。」
あたしは、有橋の隣で、先生の愚痴をこぼす。
「まぁ、なっちゃったんだし仕方ないね。有橋、頑張ろっか。」
「...あぁ、うん。」