君の隣
怪しい雲行き
私達は、下関まで帰ってきた。
なつ「高杉は、家に帰る?」
高杉「いや。今、帰ると危ない。それに・・・。」
私は、高杉の言葉を待つ。
何か気になることでもあるのかな?
調べ物なら早く動けた方がいい。
高杉は、なかなか、次の言葉を言わない。
なつ「それに、何?」
私は、高杉の顔を覗き込むと、高杉の顔が少し赤い。
疲れて熱が出てるのかな?
高杉は、体は丈夫な方でない。
なつ「熱?」
私が、高杉の額に手を当てようとすると、その手を掴まれて、手に口付けされた。
なつ「っ!」
高杉から目が離せなくなると、高杉は、私を抱き寄せて、耳元で囁く。
高杉「お前と一緒にいたい・・・。お前は?」
なつ「っ・・・。」
高杉はズルい。
私は、高杉の背中に、腕を回す。
なつ「私も、一緒にいたい・・・。」
そう言うと、高杉は、ふっと笑い、ギュッと私を抱きしめる腕に力を込めた。
私は、高杉の胸に、顔を付ける。
高杉の香りに包まれると安心する。
高杉「なつ・・・。なつ・・・。」
呼ばれて、顔を上げると、唇が重なった。
何度も、角度を変えて、お互いに唇を貪る。
段々、深くなる口付け・・・。
身体の芯から甘く痺れる。
私達は、近くの出逢い茶屋に入り、お互いを求め合った。