君の隣
私達は、下関に部屋を借りて、夫婦のような時間を過ごした。
相変わらず、高杉は、花街に行くことが多い。
私は、一人になると、情報収集のため、花街で、芸妓をする。
高杉は、それが嫌で、よく喧嘩をしていた。
高杉「お前は、俺という者がいながら何故、芸妓などする!?男に色目を使い、俺を侮辱する気か!?」
なつ「高杉だって、花街に入り浸っているでしょうが!」
高杉「男とおなごとは違う!」
なつ「またそれ!?」
高杉「それに、お前は、男に騙されやすい!」
なつ「騙されてない!」
高杉「行くな!」
なつ「嫌!頼まれてるんだから、情報屋として、信用問題になるっ!」
高杉「男に色目を使うことのどこが、情報屋なんだっ!」
なつ「アンタには関係ないっ!」
高杉「関係ならあるっ!お前は、俺の愚妾だっ!お前から見て、夫だ!その夫が行くなと言ってる!」
なつ「なにそれっ!愚妾って何よっ!愛妾でしょうがっ!」
高杉「自分で言うなっ!」
高杉は、私を抱きしめて、離さないという意志を露わにする。
無理やり口付けをされるが、その口づけはとても優しい。
だから、私はいつも、折れてしまう。
気づいたときには、もう夜明け前。
いつもこんな調子だ。
高杉は、独占欲が強いのかもしれない・・・。
そんな、高杉が大好きで仕方ない。
人には、大々的に言えない関係だが、私は、幸せだった。