君の隣
木戸さんが戻ってきた。
なつ「え・・・。なにそれ・・・。」
皆、同じ様な顔つきだ。
薩摩藩は、もし、長州藩が、幕府と戦になった場合、ならなかった場合、勝った場合、負けた場合など、詳しく、密約を交わした。
しかし、ちゃんとした裏書は作ってくれなかったという。
口約束だ。
これでは、知らん顔される可能性が高い。
木戸さんも何度もお願いしたらしいが、叶わなく、仕方がないので、坂本様に裏書を頼み書いてもらった。
高杉「これでは、ほとんど意味のない物だ。」
確かに、そうだ。
一脱藩浪士が書いた裏書など意味がない。
薩摩藩の藩主様の物でなければ意味がないのだ。
高杉は、溜め息をつき、
高杉「まぁ。仕方ない・・・。長州藩は、幕府を討って朝敵の汚名を返上してこそ、薩摩藩と対等になれるんだ・・・。」
そう言って部屋を出た。