君の隣
晴れ舞台
6月17日。
谷が九州の小倉口の戦いを任されて、私は、隠密隊を引き連れて配置に付いていた。
谷は奇襲の天才・・・。
八ッ半(午前3時)、軍艦5隻で先制攻撃を仕掛けた。
幕府側もここで私達を討とうと狙っていた為、激戦が予想される。
長州側は、約1000。対する幕府は、約20000。
長州側の軍艦3隻で対岸の田ノ浦を後の2隻は門司を艦砲射撃、上陸した。
私は、駆けずり回った。
そして、敵地を焼き払う。
なつ「谷総督!田ノ浦と門司落ちました!敵地は焼き払いました!」
高杉「よし!いったん引き上げだ!」
なつ「引き上げ?」
高杉「あぁ。深追いはしなくて良い。」
谷には、何か考えがあるのか・・・。
なつ「かしこまりました!」
私は、それを、戦場に伝えに走った。
そして、下関に帰った時に、坂本さんがいた。
なつ「坂本様!?」
坂本「おぉ!おなつ殿!久し振りだなぁ!」
なつ「坂本様、どうしてこちらに?」
坂本「あぁ。船を届けに来たんだ!それにしても・・・。高杉は凄い男だなぁ!なんと、素晴らしい指揮をする。」
なつ「ふふっ。坂本様は、谷総督に惚れてしまいましたか?」
バチンッ。
後ろから頭を叩かれた。
なつ「痛っ!」
後ろを振り向くと、谷が、怒っている。
高杉「お前なぁ・・・。今度は、坂本殿に、色目か?」
なつ「話しをしていただけでしょう!このやきもち焼き!」
ムギュと頬をつねられる。
なつ「っ!痛い!」
高杉「お前が、偉そうなことを言うからだ!」
このやりとりに、隣で、坂本様は、肩を震わせ笑っている。
坂本「くくくっ。高杉殿は、もっと、冷たい感じのお人かと思ったが、そうかそうか、こげなお人だったか!」
高杉「冷たいって・・・。コイツがおかしいので、声を荒げる事が多いだけです。ところで、船ありがとうございます。」
色々と二人で、盛り上がっている。
私は、そっと、その場を離れた。